CURRENT
島村が何をしたいのか全然分からない。
酔っ払っている人はごまかせるけど、隣にはするどい菜月がいる。
付き合っていたことがバレてしまう。
記憶から抹消したいのに。
「梨沙は、中山課長と付き合うの?」
「何でそうなんのよっ。
それに、梨沙って呼ばないでよっ」
そう言っても、島村はにんまりと笑っているだけ。
何がしたいんだ。
何が目的なんだ。
「まぁ、いーや。オレは遠慮しねぇから」
意味の分からないことを呟いて、ようやく離れた。
そして、島村はその場からも離れた。
一体、なんだったんだっ。
怒りと共にビールを流し込む。
よく分からない行動を取ったアイツのせいで、飲むペースが早くなった。
その間、ずっと沖田陽子はべったりだったみたい。
あっちもよくやるなと感心してしまう。