CURRENT
「梨沙先輩、島村さんとどういう関係ですか?」
完全に、菜月の興味は彼と沖田陽子ではなく、私になってしまった。
あんな場面を見たら、誰だってそうなるに決まっている。
「だから、同期だって」
「ただの同期で抱きつく訳ありませんよねー?」
「あっちが酔っていただけでしょ」
「じゃあ、梨沙って呼び捨てにした理由は?」
そんなとこまで聞いていたのか。
このうるさい中、聞き耳でも立てていたのだろうか。
「酔って誰かと間違えたんじゃない?
“りさ”なんて、よくある名前だし」
「なるほど……って梨沙先輩、それであたしが納得するとでも?」
もちろん、納得するなんて思っていない。
でも、なぜかふわふわする頭で、よく考えたと思うけど。