CURRENT
*灼けた道
【1】
「え?…………ここ、どこ?」
目が覚めたその場所は、ベッドの上だった。
だけど、あきらかに自分の部屋ではない。
室内であることに違いはないけど、見慣れない家具ばかりがある。
どうして、見知らぬ場所にいるのだろう。
昨日の夜、何かをやらかしてしまったことは分かった。
でも、スーツは着たまま。
ジャケットを脱がされただけで、それ以上の異変はなかった。
隣に温もりがないとこを見ると、誰かと一緒に寝た訳ではないらしい。
そう推測してみるけど、昨日のことは全然思い出せない。
飲むペースを乱してしまって、気持ち悪くなったとこまでは覚えている。
そのあと、彼が近くにいたような気もするけど、全然ダメだ。
醜態をさらしていないだろうか。
菜月に聞かないと。