CURRENT
「そんな話し、どこで仕入れたの?」
私さえも聞いていない話しなのに、どこで知った情報なのか。
「さっき、休憩スペースで上の人たちが話していたのを盗み聞きしたんです」
にっこり笑って、そんなことを言う。
そんな話しを今しているということは、決まったばかりのことか。
「いつ来るか分かる?」
「うーん……それが聞き取れなくて」
1番大事なところが分からないけど、まぁ来るのは間違いないだろう。
以前、部長も早く後任を決めたいと言っていたし。
とにかく、スムーズに仕事が回ればそれでいい。
私が望むのはそれだけ。
外見とかはどうでもいいから。
プライベートで関わる訳でもないから、性格とかもどうでも良かった。
だけど、現実はそうもいかない。
少しずつ、私の知らないところで運命の歯車は動き出していた……。