CURRENT
「菜月、私に彼氏いないの知っているよね?」
「だって、こんなにみんなの前で堂々と宣言されたら……」
「は?」
菜月の言葉に周りを見れば、いつの間にかここにいるほとんどの人が注目して聞いていた。
「まぁ、内緒にしていたから仕方ないか。ここで、堂々と交際宣言しとこうか」
私の肩に手を置き、密着しながら言う。
コイツ、何言ってんの?
「ちょっと、冗談やめてよ」
肩に置かれた手を振り払おうとするが、体はどんどん密着してる気がする。
「恥ずかしがってないで、ちゃんとしよう。じゃないと、他のヤツに手を出されてしまう」
「恥ずかしいも何もない。アンタと付き合っている事実もない」