Three LOVE
Orange
「おいっ菜子っ!!」
佑太は菜子を呼び止めた。
菜子は振り返って佑太を見つめる。
佑太としては呼び止めたのは
自分なのだが照れくさく、下を向いて叫ぶ。
「っまた、明日なっ!」
言いたかったのは、ただ、それだけで。
明日も学校だから会えるのに
何故か伝えたかった。
…って言うのは多分言い訳なんだと思う。
ただ、あいつと喋りたかったってのが
本音。
聞こえた菜子は笑って
「バイバイっ佑太」
人の気も知らないで
佑太はなんでもない挨拶かもしれないけど
菜子にとっては凄く嬉しいんだよ。
佑太は菜子の
気持ちに気づいてないと思うから
この赤く染まった頬は
夕陽のせいにしておきます。