同期がオトコに変わるとき
『とにかく探してもらっているけどあまり期待しないで、真奈美も自力で探す努力をしなさい。出会いがなければ婚活パーティに行くとか方法はいっぱいあるでしょう。こっちの進展があったらすぐに連絡するから』
「じゃあ、引き続きお願いしますと伝えて。じゃあよろしくね」
通話を終了させたスマホを握って固まる。
そうなのか・・・条件を満たす相手がいないとは、まったくの予想外だった。
ネットに出てくる婚活サイトのCM見てる限りは、結婚相手を探している男性は世の中にごろごろいるものだと思っていたけれど・・・。
どうしよう、自力か。
結婚相談所に登録してみるのもいいけれど、すごくお金がかかるイメージがある。
もっと経済的な方法はないものか。
うーんと悩んでいると、手の中にあるスマホがブルルっと震えた。
画面には懐かしい名前が表示されていて、胸を弾ませながら出る。
「はい。藤崎です」
『佐々木です。真奈美、久しぶりー』
「おひさしぶりですー!どうしたんですか?」
電話は1年くらい前に寿退社された先輩からで、赤ちゃんが生まれたとの報告だった。
よかったら顔を見に来てくれない?と言うので、土曜にお邪魔することになった。
「赤ちゃんかあ、いいな・・・そうだ、お祝いを買わなくちゃ」
それからは婚活のことはひとまず置いておき、お祝いには何を購入するのがベストなのかネットで検索して過ごした。