同期がオトコに変わるとき

「いらっしゃーい。どうぞ」

「お邪魔します。あ、これどうぞ、お祝いです。あと、ケーキも」

「うわーありがとう。気を使わなくてもよかったのに。今ミルク飲んだばかりで寝てるけど、どうぞ見てあげて」

「はい。じゃあできるだけ静かに・・・わあ、かわいいーっ」


綺麗にお掃除されたリビングにはベビーベッドが置いてあり、そこに赤ちゃんがすやすやと眠っていた。

手も顔もすごく小さい。

透き通るような薄い肌にぷくぷくしたほっぺ。

そばにいるとミルクのにおいがほんのり漂ってくる。

まさに天使という言葉がぴったりで、見ているだけで幸せな気持ちになってくる。

これが母性本能というものなのかな・・・。


「いいですね。赤ちゃんって。育児は大変ですか?」

「夜中に起きたりして大変だけど、可愛いから大抵のことは我慢できちゃう。どうぞ、こっちに座って」

「ありがとうございます」


おしゃれな花柄のティーセットとマカロンをテーブルに置いてくれたので、美味しくいただく。

おしゃべりは旦那様の愚痴という惚気と赤ちゃんを産んだ時のエピソードを話してくれて、聞いてるだけで参考になったり面白かったり、結婚って大変だなと思うけれどもうらやましくなる。


「ね、最近どう忙しい?彼氏できた?真辺君とはどうなったの?」


三つも疑問符がついていてどれから答えたらいいのか迷うけれど、佐々木さんにとっては最後の質問が重要そうなのでそれから答えることにする。


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