キミのバスケを守りたい
「はぁ?今更?普通にしないならまた肝試しに戻る?…俺は一緒に行ってやらないけど」
「いや!そんなことしたら、今度こそ死んじゃう!」
「じゃあ早く普通に戻れよ」
「無理無理!」
あたしは顔を覆ったままブンブンと何度も首を横に振る。
「なら、もう一回する?」
「しないよ!もうっ!からかわないで!」
あたしはバシっと強めに望月くんの腕を叩いた。
「いてーよ!早瀬のせいで明日シュート一本も入らなくなったらどうすんだよ!」
なんて、いつもには見せない笑顔を向けてくれたから、あたしの恥ずかしさはいつの間にか吹き飛んでいたんだ。
そして望月くんはポケットからアイシングとバンドを出して膝に固定し始めた。
「ねー…さっきヒヤってしたのってアイシングの?」
「そうそう。周りの先輩たちの脅しに全部ビビってて、自分もしたくなったから。
俺、最上階の階段から気配消して後付けてたけど気付いた?」