キミのバスケを守りたい
Story*7 限界と止まらない涙
夏も終わりに近づいた8月最後の日曜日。
少しずつ気温も下がって行って、ヒグラシの鳴き声をよく聞くようになってきて徐々に秋の訪れを感じていた。
今日は冬の大会の一次予選。
今日から一日でも負けると、3年生は引退をすることになる。
ずっとずっと勝ち進めれば1月の初めまで一緒に頑張れることになるけど、
そこまで私たちの学校の実力では到底及ばない。
だからわたしはどんな結果になっても、3年生の先輩たちには自分達のプレーを最後までして悔いなく引退してほしいと思っている。
「じゃあ、お母さん行ってくるね!」
「行ってらっしゃい!頑張ってね!
良い結果楽しみにしてる!」
と玄関の前に立って今からはしゃいでるお母さん。
「ちょっとお母さん!いつも言ってるじゃん!
わたしに頑張ってって言ってもわたしは試合に出ないんだから意味ないって言ってるじゃん!」