キミのバスケを守りたい



「準備はできたか?」



そう言って入ってきたのは相馬先生。



「「はい!」」



みんなはすぐに相馬先生の前に集まる。



相馬先生は椅子に座ると話を始めた。



「きっと体育館の中に入ったら、コートを見たり、相手校を見たり、上の観客たちのざわざわした声を聞いて落ち着けなくなるから今言う。



お前らは今何を考えてこの控室にいる?」



「俺は今日の試合に勝つことだけを考えてます!」



と最初に言い切ったのは坂田先輩。



その言葉を聞いて、他の部員達からも「俺もです!」「俺もです!」という声が上がる。



「ならいい。そのこと、尾形高校との試合が終わるまで絶対に忘れるなよ!」



「「はい!」」



みんなの返事にわたしも条件反射ではい!と返事をしてしまったけど、



わたしはなぜこんな直前に相馬先生がこんなことを言ったのか全然理解できない。


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