キミのバスケを守りたい



「お前ら簡単に返事したけど、俺の言った意味ちゃんと分かってんのか?」



と苦笑いをしながら話を続けた相馬先生。



「俺が言いたいことは……今日の試合は絶対に簡単に勝てる試合じゃない。



でもそう言う時こそ、切羽詰まってその場のことしか考えられなくて



相手にのペースに呑まれていくんだよ。



だからシュートを決めるチャンスがなくて得点に繋げられなくても、相手と点差が開いて焦っていても



“今日の試合に勝つ!”ってことは絶対に忘れるなって言ってるんだ。



いいな?みんながそういう強い気持ちがあればどんな辛い状況になっても



必ずどこかで自分たちのプレーができる時が来るから



それを信じて戦って来いよ!」



「「はい!」」



きちんと説明してくれた相馬先生の言葉にわたしは今度こそ自分の意思で返事をすることができた。



「よし!じゃあ行くぞ!」



相馬先生が先頭で出て行った後、スタメンも後を追うように行って、わたしも救急バッグを背負って、




スコアブックを持つと控室の鍵を閉めてみんなと一緒に体育館に入ったんだ。


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