キミのバスケを守りたい
「黙ってたって何も分からないだろ。
俺は、お前が膝のこと知ってたか知らなかったかだけを聞いてるんだ!」
望月くんが病院で処置してた頃と同時刻。わたしたちは学校に戻ってきていた。
試合が止まって膝の痛みに耐えながら、最後までわたしがみんなから攻められることのないように言ってくれた望月くんだったら
間違いなく“白を切る”ことを考えてると思う。
だけど、わたしにはその選択はない。
だからわたしはぎゅっと両手を握りながら小さくコクンと頷いた。
「頷くってことはやっぱり知ってたんだな。
それはいつからだ?」
相馬先生の顔はどんどん険しくなって行って、いつ怒鳴られてもおかしくない状況。
坂田先輩は黙ったまま何も言わない。
「……最初から知ってました」