キミのバスケを守りたい
「嘘つき。だったら何で泣いてんだよ?」
と言いながらみんなに支えられながら望月くんは一歩ずつこっちに歩いてくる。
「…………」
“全部、望月くんの膝はわたしのせいで無理をさせたから”
って言ったら、彼はきっと“お前には関係ねぇよ”って否定してきそうだからわたしは何も言わなかった。
何も言わないわたしに望月くんにポンポンとわたしの頭を優しくすると
「いいんだよ、早瀬は何もしなくって」と言った。
そして相馬先生の方に向くと……。
「今まで自分勝手してすみませんでした。
ジャンパー膝は部員にも先生にも知られたくなくて今まで黙ってきました。
それはジャンパー膝であるために周りからの同情を受けたり、迷惑をかけたり
練習自体に自分がみんなと同じメニューをこなして手を抜きたくなかったからです。
俺はそれが嫌いで、痛みが出てきてもこなすつもりで覚悟を決めて入部して頑張ってきました」
望月くんは話を続けた。