キミのバスケを守りたい

「きみ、部活やめるの？」



急いで走ってきてくれたのに息切れ一つしてない杉山先輩。



いつもは優しくて有名な先輩なのに、今日はそんな優しい表情ひとつなく無表情だ。



なんだか自分が何かしてしまったような気持ちになる。



でも杉山先輩とはバスケ部に入ったって報告してから会っていない。



「まだそれは決めてませんけど、ちょっと前に男バスを休部しました」



と苦笑いしながら俺は返した。



「そんなこと勝手なことしてさ、誰が一番傷ついてるか知ってる？」



誰が一番傷つく？



俺？



っていうかまずそんな奴いるのか？



「言っとくけど、ジャンパー膝の症状が再び出たきみじゃないよ」



付け足すようにきみのことは他のバスケ部員に聞いたとサラっと言っていた。