キミのバスケを守りたい



望月くんはみんなに休部したことを謝ると、この大会までは選手として頑張ると言ったんだ。



最初はみんなそれに止めに入ったけれど、病院の先生とも通院しながら無理せずにバスケをすることを約束して



“この大会だけ”ということでお許しがもらえたみたい。



それから練習の許可が出て時にはわたしにこう言ってくれた。



『5月に俺と約束をして最後まで守ってくれたこと、



俺のことを心配して、いつも気にかけてくれて力になってくれたことを



きちんとバスケで返すから……



早瀬のためにプレーするバスケ見てて』



照れくさそうに言ってくれた望月くんの言葉をわたしは一生忘れない。



今日まで望月くんはダッシュやシュートの数を徹底的に相馬先生に制限されて、それに納得できなくて怒っていたこともあったし



3年生にとって本当に最後の試合の今日に間に合うか望月くんは焦りを感じていた。


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