キミのバスケを守りたい
「望月くんっ!」
体育館に入るとすぐ見たのは残りの休憩時間を示すタイマー。
どうやら後30秒後に最後のセットが始まるみたいだ。
ジャンプをしたり、足を動かしたりコートのラインの前でスタメンがアップしているのが目に入って
望月くんのところに走っていてサポーターを渡した。
「これっ!」
他にも何か言いたいけど、息切れで何も話せない。
「サンキュ!いきなりダッシュさせて悪かったな。
これで試合に出れるよ」
望月くんは慣れた手つきでサポーターを膝に固定すると、さっきよりも小さい声でこう言った。
「……前言ってたバスケで返すってやつ今からやってやるからよーく見てろよ!」
わたしはコクンと頷いた。
そして望月くんの前に右手を挙げた。