キミのバスケを守りたい



―シュッ



ボールはリングに勢いよく入っていった。



その瞬間、試合終了を示すタイマーの音、そしてレフリーの短いホイッスルが鳴った。



「5番ファウル。バスケットカウント、1ショット」



ファウルをとられた選手は手を挙げて、悔しそうな表情を浮かべている。



だけど、わたしたちの学校のみんなは声をあげて喜んでいる。



だってこれで望月くんが決めたら点差がついて延長なしでわたしたちの学校の勝ちだ。



フリースローラインに立って、レフリーからボールをもらった望月くん。



他の選手たちは台形のラインの右と左に均等に立った。



あんなに練習の後も、自主練をしていた望月くんだもん絶対入るよ。



努力は絶対に裏切ったりしない。



みんなに見守られながら、望月くんは息を大きく吸ってから目の前にあるゴールに向かってボールを放った。



< 239 / 244 >

この作品をシェア

pagetop