キミのバスケを守りたい
でも……それが望月くんがコートで試合をした最後の瞬間だった。
望月くんの膝はもう限界を超えていた。
試合後、病院に付き添うと
先生は「約束だよ。これ以上は日常生活にまで支障が出てバスケだけの問題じゃなくなってくるからね」と言っていて……。
望月くんもその言葉に動じることなく
「俺、これからはちゃんと自分の膝のこと一番に考えます。
でもバスケはやめません」
と先生の目をまっすぐ見て、でも一瞬イタズラな笑みを浮かべながらそう答えていた。
その最後の言葉にわたしも先生もびっくりだったけれど、
彼の口から「バスケをやめる」って言葉じゃなくて、「バスケはやめません」という言葉がでてきたことがとても嬉しかった。