キミのバスケを守りたい
今日はもう時間が遅くて詳しく検査ができないから
明日また改めて来るように先生に言われて
父さんと母さんは先生に頭を下げてあいさつをすると病院を後にした。
足を引き摺りながら歩く俺に父さんは補助してくれようとするけど
「いらねぇ。家帰ったらしばらく一人にして」
と言って以来、俺も父さんも母さんも何も話すことなく車で家に帰った。
そのまま部屋に入ると、ドアをバタンと音を立てて勢いよく閉めて、
電気をつけずにベッドの上に座った。
カーテンの閉めてない窓からは月の光で目が冴えなくても周りが見えて
俺はその光に照らされた自分の両足を見た。
「こんな膝のせいで……。
なんで俺がこんな目に合わなくちゃいけないんだよ。
俺の努力がまだまだ足りなかったって言うのかよ。
どうしてこの結果になるのが俺じゃなくちゃいけねぇんだよ……」
そう呟いても、言葉は空気となって消えていくだけで誰も答えてくれる人はいなかった……。