キミのバスケを守りたい



“不幸中の幸いと言えば、通常ジャンパー膝は両足なるのですが、



彼方くんは片足だけだったことです。



なのでもう片方もジャンパー膝にならないように気をつけるためにも今回は足を休めることを優先させましょう”



月に照らされた両足を見て思い出したのは最後に言われた先生の言葉。



あの人は俺の足を休ませることしか言わなかった。



しかも、片足だけだったことが不幸中の幸いとか言って



片足でも両足でもどっちの結果になってもバスケができなくなるんだから



両足ジャンパー膝になって完全にバスケができなくなれば良かった。



そしたら諦めることだってもっとできたかもしれない。



それにあの人は俺の右膝は慢性化してるって言ってた。



だから、もしかしたら俺は高校でバスケをしても……



またこうやって最後の最後でバスケができなくなるかもしれない。



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