キミのバスケを守りたい
「お前……今日の大事な試合を捨てたくせに
よくのこのこ、ここに来れたな!
お前のせいで!部長のお前が怪我なんかしたせいで!
バスケで高校に行けるチャンスが全部水の泡になったじゃねぇかよ!」
俺の服を掴みかかって大声で訴える原口に、俺はただ“ごめん”と謝ることしかできなかった。
「……ごめん、本当にごめん」
「おい、原口!彼方だって怪我したくてしたんじゃねぇよ!
ずっとずっと彼方は本当は膝が痛かったんだよ!
それをずっとずっと1人で耐えて、
迷惑をかけないように、気付かせないように俺たちに痛みを隠して……
彼方だって最後まで頑張ってたんだよ!」
そう言いながら原口の腕を掴んで俺から離そうとする多田。
多田の目は今にも泣きそうな表情をしていた。