キミのバスケを守りたい
* * *
「まぁ、ざっとこんな感じ」
望月くんはそう言うと、一度ボールをバウンドさせるとゴールに向かってボールを放った。
だけど、そのボールはボードに弾かれて入らなかった。
でも彼はすかさずボールを拾ってゴールに背中を向けたままシュートを放って、今度はしっかり決めていた。
「あの……やっぱり」
……慢性のジャンパー膝。
ジャンパー膝は知ってたけど、そんな重度の症状を持った人はさすがに聞いたことがない。
わたし、すごい爆弾を持った人を連れてきちゃったんじゃ。
「なに?今更退部しろって言われたって辞めたりしないから。
だって、またバスケの楽しさを思い出しちゃったんだから辞められるわけないじゃん」
望月くんはまるでバスケを始めて、初めてシュートが決まったかのように無邪気に笑った。
そんな眩しい表情で言われてしまったら図星だったことを言えるはずもなかったんだ。