キミのバスケを守りたい
Story*4 厚い雲から抜け出して
夏の大会は都ベスト8で終わった。
そして、ギリギリ冬の大会予選に出場できることが決まった。
この大会は三年生の先輩たちにとって本当に最後の大会だ。
望月くんが入部してきたことで、彼は決して口に出してはいないけど“レギュラー取ってやる!”というヒシヒシとした気持ちが溢れている。
プレー1つ1つに表れていて、暗黙の了解と言ってもいいくらい
それはもう部員みんなが気付いていた。
でもそれが相乗効果で男バス全体に最近は出てきて、みんなのバスケに対する気持ちももっと強まったように見える。
それは望月があんな風に一生懸命レギュラーを目指してるのなら、俺にだってチャンスはある!とプレーに表れてみえるくらいに。
望月くんの膝も痛みも今のところないみたいで、プレー中に膝のことをさっぱり忘れてやっている。
だから望月くんが入部して一ヶ月経った今でも部員達にはバレていない。