キミのバスケを守りたい
わたしは息を呑んで、ただただ羽山先輩がレイアップしたシュートが入るように願った。
ベンチで応援している部員達もいつの間にか応援することさえ抜けて、羽山先輩を無言で見守る。
羽山先輩はシュートをした後、走っていた勢いがありすぎてコートから出て崩れかけていて
気になるボールは勢いが強い中でも耐えてボードに当たってゴールに入った。
第二クォーターに入ってからさっきよりも熱が入って接戦になっていたから、
ゴールが決まった瞬間はコートに入ってるレギュラーの先輩たちはもちろん、ベンチで応援していた私たちもみんなで喜んだ。
この得点を機に、波に乗ったうちの高校は途中で晴葉高校の波に呑まれて崩れそうになりながらも
すぐに立ち直って、攻めて攻めて10分間戦い続けて……
詩織がやっていた得点板には52-42と表示されていて、それはうちの学校の勝利を表していた。