キミのバスケを守りたい



どうして望月くんのことを相馬先生は止めたんだろうと話を待っているとある先輩を見た。



「中田!次の試合第一クォーター出たら、第二クォーターは望月と代わってみろ」



相馬先生からいきなり出てきた言葉にわたしはうちわを扇ぐ手が止まる。



ええ!望月くん試合に出るの?!



そして望月くん本人も俺が出るの?という目を見開いてびっくりした横顔が見えた。



でも、そのちょうど反対側にいた二年生で唯一レギュラー入りをしている中田先輩はちょっと強張った顔をしている。



「……はい」



輪の中には中田先輩の納得いかなさそうな返事とともに緊迫な雰囲気がわたしたちの空間に流れた。



「望月は出たくないか?



入部して一ヶ月経ったんだから中学の時の部活を引退してからのなまりもそろそろ取れてきただろ?」



相馬先生はそんな今の雰囲気を一切気にせず、いつもと変わらない感じで望月くんに聞いていた。



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