キミのバスケを守りたい



「……出たいです!」



5人のレギュラーたちの先輩の視線を感じながらも、望月くんはビクともせずに自分の気持ちを伝えていた。



彼の眼差しは相馬先生にまっすぐ向けられていて、



周りの先輩たちが口を挟めないくらい強く感じられた。



「だろ?俺、お前のプレーずっと見てみたかったんだよ!



第二クォーターから出すのは望月がプレーしやすくして、力を出し切れるようにするためだからな。



お前らは第一クォーターで大差をつけてこいよ!」



「「はい!」」



先生に「お願いします!」と礼をすると、望月くんはアップをし始めていて



みんながシュート練しているところに混ざってシュートを放っていた。




「望月くん、すごいなぁ……」



思わず独り言が声となって漏れる。




二ヶ月近く遅く入ってきた望月くんに相馬先生はもう一目を置いていて、期待されている彼に……



わたしはすごい人をこのバスケ部に呼んでしまったんだと今更ながら気付いたんだ。


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