キミのバスケを守りたい

彼は坂田先輩から回ってきたボールをキャッチすると、



そばにいた晴葉高校の選手たちは望月くんの前を囲むように守ってくる。



だけど、彼は迷いも焦りもなくある行動に出た。



……一度、ダンッと床にボールをつけてボールを持つと、そのボールを後ろに向かって右手で投げた。



そのボールはシュルシュルと回転しながら正確に飯島先輩の手元に渡り



ノーマークだった飯島先輩はパスされたボールを掴むと、ゴールに向かって狙いを定めてシュートを決めた。



ー―ダンッ！



と音を立ててボールが床に落ちると



ベンチのみんなは「ナイッシュ―！」と飯島先輩に聞こえるように大きな声で言ったけど



先輩達は飯島先輩のところではなく望月くんのところに走って行って



「ナイスパス！」と声を掛けながら頭をわしゃわしゃしたり、肩を優しく叩きながら喜んでいる。



いろいろされている望月くんは一瞬「やべっ！」と言いそうな表情をしていたけど



先輩達に褒められて嬉しそうな顔をしていた。