キミのバスケを守りたい
ーシュッ
と、リングに入ってネットを通ってボールは床に落ちた。
「ナイッシュ!」とベンチから望月くんにかける声に
コートにいる先輩達は何も話さず、もう1本シュートする望月くんのボールを待っている。
もし、望月くんが次のボールを失敗してもこのゴールが近いこの場所からなら
晴葉高校にボールを持って行かれる前にリバウンドしてシュートをすれば決められるかもしれないからだ。
そして、二本目。
望月くんは油断せずにもう一度息を吐いて心を落ち着けてからまたシュートを決めた。
二本とも決めた望月くんは笑顔で喜んでいて……
一瞬だけわたしのいる方を向くと「見たかっ!」とでも言うように腕を伸ばしてピースして笑顔を向けてくれた。
……か、かっこいい。
あんな満面な笑みでピースをする望月くん初めて見た。
「……過去から前に進めたんだね」
ボソっと呟いたわたしに、となりにいた相楽くんは「何か言った?」って聞いてきたけど
わたしは首を振ってううんと答えた。