キミのバスケを守りたい



わたしの押しに『別にいいだろ』とあしらってた望月くんに、それでもしつこく喰いついてみたらようやく彼は教えてくれた。



「ただ、中学の時の癖が出たというか。



飯田先輩にパスを無意識に合図しないで投げて



ちゃんとパスを警戒して待っててくれたから良かったけど、



練習でもやったことないのに、初めての練習試合でいきなりやったからやばかったかなって思っただけ」



バスケ経験者のお前だったら分かるだろ?と共感を求めてくる望月くんに



経験したことないけど、なんだか共感したくなったわたしはコクンと大きく頷いた。



けど、わたしの微妙な頷きに望月くんは「嘘くせぇー!やっぱあんたにはわからねぇよ」



って言われちゃったけど、それでも理由が聞けたわたしは良かったんだ。



昔の……中学の時のプレーが自然と出ちゃったんだよね。



モップを体育館全体にかけて、みんなも片付けが終わると相手校の部員達にあいさつを済ませた。



それから、みんなで体育館に座って反省会が始まった。


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