キミのバスケを守りたい
From 望月彼方
「今日は練習試合で早く終わったんだから、いつまでも部室に残ってねぇで早く帰れ~!」
という坂田先輩の指示が出て、先輩たちは制服から着替えると部活のエナメルバッグを肩に下げて先に帰って行った。
俺たち1年も先輩達が帰った後に着替えて、マネージャーが部室を施錠するとみんなで校門に向かって歩いて行ったんだけど……
「るいちゃーん!」
という女の子の声がグラウンドから聞こえて、どうやらサッカー部は休憩中のようだった。
「あっ!杏ちゃーん!」
走り出した早瀬は一度くるっと振り返り「先帰ってて!みんなお疲れ!」と言ってまた走り出していった。
そして、俺もみんなと一緒に帰ろうと思ったのだが
もう包帯もテーピングもしないで普通にスパイクを履いて、みんなと同じ練習をこなしたのか少し汗をかいている彼を見つけて
「杉山先輩!」
と無意識に名前を呼んでいた。