キミのバスケを守りたい



他の部員と喋っていた杉山先輩は「あっ!この間の!」と言って俺を覚えてくれているようだった。



タオルで汗を拭きながら、俺のところに歩いてきて



「そのエナメルバッグを持ってるってことは、男バスに入部したんだね!



俺のサッカー部の勧誘は失敗か~!」



と残念そうに言うどころか、むしろ笑顔でそう言ってくれた。



「いや……。でも俺、杉山先輩があの時言ってくれた



“怪我をしてしまった俺の過去もきみが何か抱えている過去も決して変えられないけど、



今と未来は自分の努力でどうにだって変えられるからお互い頑張ろうな”



って言葉を聞いた時、俺は今まで殻に閉じこもって何してたんだって気付かされて



それからあそこにいるマネージャーにも」



と視線を杉山先輩から早瀬に向けて俺は話を続けた。




「“頑張ることは自分で決められるんだよ!”って背中を押されて



いつまでバスケを続けられるか自分には分からないけど、



中学の時みたいにもう一度一生懸命になってバスケを頑張ってみようって思えたんです」



俺は、視線を戻して杉山先輩の目を見てそう伝えたんだ。


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