私があなたを好きな理由


初めて彼のネクタイを結んだのは、2年の始業式。


「あー、ネクタイ無理!」

「お前中2にもなってネクタイも結べないのかよ!」


クラスの男子が賑やかにしていて、正直不快だった。
クラス委員が整列指示を出している中、ネクタイを結べずに並んでいなかったから。


「早くして~」


そんなクラス委員の言葉も知ってか知らずが賑やかなのは止まりそうにない。

だから思わずいってしまった。


「...貸して、やるから。」

「あ、はい。」


ネクタイを受け取り、自分に巻き付けて形を作る。


「お前、リボンの女子でも結べてるぞ!」


隣の男子にゲラゲラ笑われている智樹。
これが、彼と初めて話したときの出来事だった。


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