私があなたを好きな理由
あれから3ヶ月は経った今。
今も智樹のネクタイ係としてネクタイを結んでいる。
あのときは、結局聞けなかった。
誰にネクタイを結んでもらったのか。
自分の勇気の無さに呆れるけど、あれからネクタイ係も代わることがなかったことに安心している。
もし、そのとき結んであげた子を智樹が選んだら、私は泣いてしまう気がしたから。
「麻結?」
「ん?」
「今日もありがとう。」
今、私の顔はどうなっているんだろう。
とても赤くなっている気がする。
「どう、いたしまして!」
恥ずかしくなってネクタイをきつく締めると、智樹はむせてしまった。
「いい加減、自分で結べるようになってね。」
嘘、結べるようになんてならないで。
「俺、無駄な時間は過ごさない主義なんだ~」
今日も、明日も、その次も。
私がネクタイ結ぶから。