私があなたを好きな理由
「智樹、いつまで結んでもらう気?
卒業式まであと3日だよ?」
「だって結べないもん。」
今日は卒業式の総練習。
もちろんネクタイ着用の為、麻結に結んでもらっている。
「高校行ったらどうするの...
同じ高校行けるかもわからないのに。」
「行けても行けなくても毎朝麻結のところいって結んでもらうかな。」
第一志望は学科は違っても高校は一緒。
だから、結んでもらうことなんて簡単。
でも
その前にちゃんと伝えよう。
「麻結、当日はちょっと早く来れる?」
「卒業式?
別にいいけど...」
「ありがと。
さすがに親の前で結んでもらうのは恥ずかしいからさ。」
麻結は呆れ顔でため息をつくと、ネクタイを締めた。
「じゃあ、約束ね。
智樹が遅刻したら怒るからね。」
「うん」
朝、伝えるんだ。
麻結が好きって。