私があなたを好きな理由
卒業式。
何度も制服の確認をして、家をでた。
親には「いくらなんでも早すぎじゃないの」なんて笑われたけど、そんなの知ったことではない。
俺は、一大決心をしてるんだから。
止めてくれるなよ、母さん。
学校につくと、思いの外生徒がいて驚いた。
思わず麻結を探してしまう。
教室にいけば会えるのに。
「智樹!」
後ろを振り向くと、サラサラな髪が風でなびいてなんともきれいだった。
「麻結、おはよう。」
「なんか緊張してない?」
クスッと笑う麻結に「お前のせいだ」なんて言えるはずもなく、適当に流す。
教室には、誰もいなかった。