私があなたを好きな理由
そのまま勉強に集中し、気付けば閉館前を知らせる音楽が鳴っていた。
目の前には彼...?らしき人が寝ていた。
帰る支度を終えてもまだ起きる気配はなかった。
「あの...閉館時間ですよ。」
そっと声をかけても起きる様子がなくて、肩を叩く。
「...っ!」
飛び起きるって表現がしっくりくるぐらい驚いて起きた彼をみて、思わず笑ってしまった。
「...もうこんな時間か。
起こしてくれたんだよな?」
「...あ、はい。
じゃあ、失礼します。」
まさか、また会話するなんて思ってなくて、思わず帰ろうとしてしまう。
「まって。」
いきなり掴まれた手首が熱くなり、思わず動きが止まる。