私があなたを好きな理由
「...はぁ。」
放課後。
不運にも日直だった私は、真っ白だった日誌とにらみ合いをしていた。
「...これどうしようかなぁ。」
手元に残された、四角い箱。
外は陽が沈みはじめて、吹奏楽部の音色が聞こえる。
懐かしい、卒業式の曲。
「食べちゃおうかな...」
「じゃあ俺にも分けて?」
背後から聞こえた声に驚き、思わず箱を落としてしまう。
箱は彼に食べてほしいと言わんばかりに彼の足元に滑っていく。
私はそれをただ眺めることしかできなかった。
「須藤、帰ってなかったの?」
「うん、まだお返しくれてない子が『待ってて』って言うから。」
「そ、そっか。」
『待ってて』って...
告白、だよね。
やだな、胸がチクチクするよ。
そんな資格ないのに。