私があなたを好きな理由
「私、帰るね...!」
「え、ちょ
「チョコ、食べていいよ。
お返し渡すの忘れてたし...」
日誌と荷物を持って教室をでる。
もう、耐えられなかった。
もし、彼の待つ子が教室に来たら。
私がいるのに気付かず告白してしまうかな...
その現場に居合わせた私は、何て言うのかな...
『おめでとう』って、笑顔で祝福できるかな...
「佐伯、ごめん!」
手首を掴まれ、彼は私に頭を下げている。
辛かった。
なんで彼が頭を下げているかわからなかったから。
「何が、ごめんなの...?」