空に想う
「……い…きて……愛郁!愛郁起きぃ!!」

私の名前を呼ぶ大きな声とゆさゆさと振られている感覚で私の意識は現実へと強制送還させられた。
目を開くとぼやけた視界いっぱいに見慣れた男の顔があってさっきまでの悪夢から解放されたのだとなんとも言えない安心感が胸いっぱいに広がった。
それでももっともっとと安心感を求めて目の前の男に力いっぱい抱きついた。

「大丈夫、大丈夫やで愛郁」

そう言って私以上に強い力で抱きしめ返してくれた事で自分が落ち着いた事と頭が覚醒していく事を実感した。
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