こちら、私の彼氏です
「伊山さんは、ゆうちゃんのどういうところが好きなんですか?」
不意に愛理が伊山にそう聞く。
……しまった。彼氏彼女の設定ばかりふたりで考えていて、ある意味肝心なそこを決め合っていなかった!
「い、いや。恥ずかしいからそういうこと彼に聞くのやめて……」
ごまかすために私はそう言うけど。
「えー? いいじゃんそのくらい! 伊山さん、どうなんですか?」
ひぃぃぃぃぃ。伊山が私の好きなところなんてとっさに言えるわけ……。
「仕事をがんばってるところが一番いいなって思ってます」
……え……?
「そうなんですかー! ゆうちゃんマジメですもんねぇ」
「はい。若手の女性社員の中で一番がんばってると思いますし、仕事以外でも周囲にいろいろ気を配ったりしながら働いてるところがいいなと思ってます」
……な、に?
いや、愛理に合わせるためのウソだってことはもちろんわかってる。
でも、あらかじめ決めておかなかったことを、そんな風にとっさにスラスラ言われたら……もしかして、多少は私のこと、本当にそう思ってる部分があるのかな……とも思ってしまって。
……私の仕事ぶりなんか、伊山からしたら鼻で笑えるレベルだと思ってた。伊山と比べたら新規契約数も少ないし、私が必死に勉強して取得する資格も、伊山はいつも涼しい顔で取ってるように見えていた。
言ってしまえば、私のことなんか見下してる可能性だってあると思ってた……。
……だけど、そんなこともないのかなと思ってしまったりもして……。
不意に愛理が伊山にそう聞く。
……しまった。彼氏彼女の設定ばかりふたりで考えていて、ある意味肝心なそこを決め合っていなかった!
「い、いや。恥ずかしいからそういうこと彼に聞くのやめて……」
ごまかすために私はそう言うけど。
「えー? いいじゃんそのくらい! 伊山さん、どうなんですか?」
ひぃぃぃぃぃ。伊山が私の好きなところなんてとっさに言えるわけ……。
「仕事をがんばってるところが一番いいなって思ってます」
……え……?
「そうなんですかー! ゆうちゃんマジメですもんねぇ」
「はい。若手の女性社員の中で一番がんばってると思いますし、仕事以外でも周囲にいろいろ気を配ったりしながら働いてるところがいいなと思ってます」
……な、に?
いや、愛理に合わせるためのウソだってことはもちろんわかってる。
でも、あらかじめ決めておかなかったことを、そんな風にとっさにスラスラ言われたら……もしかして、多少は私のこと、本当にそう思ってる部分があるのかな……とも思ってしまって。
……私の仕事ぶりなんか、伊山からしたら鼻で笑えるレベルだと思ってた。伊山と比べたら新規契約数も少ないし、私が必死に勉強して取得する資格も、伊山はいつも涼しい顔で取ってるように見えていた。
言ってしまえば、私のことなんか見下してる可能性だってあると思ってた……。
……だけど、そんなこともないのかなと思ってしまったりもして……。