こちら、私の彼氏です
十五時を過ぎ、窓口も閉まったところでいつも通り片づけの作業に入る。
勘定も伝票も合ったし、今日中の手続きの書類も検印に回し終えてる。
手が空いたので、営業室の外にある給湯室で、使用済みのコーヒーのカップを洗っていた。
その時。
「あ〜寒っ」
給湯室のすぐ横の社員用の出入り口が開いたのとほぼ同時に、伊山が給湯室に入ってきた。
「あ、福島いるじゃん。ちょっとコーヒー淹れてくれてくれない?」
肩をすくめ、両手をこすり合わせながら伊山がそう言うけど。
「ご自分でどうぞ」
「なんだよ。冷たいな」
そう言いながらも、伊山は特に気にする様子はなく、いつも通り自分でコーヒーを淹れ始める。
……そう、いつも通り。
私が淹れてあげればいいのに、でもそれができない。
……私の三大悩みのふたつめは、伊山との距離感だ。
勘定も伝票も合ったし、今日中の手続きの書類も検印に回し終えてる。
手が空いたので、営業室の外にある給湯室で、使用済みのコーヒーのカップを洗っていた。
その時。
「あ〜寒っ」
給湯室のすぐ横の社員用の出入り口が開いたのとほぼ同時に、伊山が給湯室に入ってきた。
「あ、福島いるじゃん。ちょっとコーヒー淹れてくれてくれない?」
肩をすくめ、両手をこすり合わせながら伊山がそう言うけど。
「ご自分でどうぞ」
「なんだよ。冷たいな」
そう言いながらも、伊山は特に気にする様子はなく、いつも通り自分でコーヒーを淹れ始める。
……そう、いつも通り。
私が淹れてあげればいいのに、でもそれができない。
……私の三大悩みのふたつめは、伊山との距離感だ。