こちら、私の彼氏です
改めてお礼に誘う
私と伊山が金曜日にいっしょに飲みに行ったことは、社内の誰も知らない。
べつにふたりきりで飲んでいたわけではないし、付き合ってるわけでもないからそのくらい誰かに知られても問題はないけど……変なウワサが立つと厄介だし、ヘタしたら私か伊山、どちらかがほかの支店に異動させられてしまう可能性もなくはないから、自分たちからは誰にも言わないでいた。
金曜日にいっしょに飲んでから、私の伊山に対する気持ちとか態度とかが以前より変わった……ような気がしなくもないというか。
というのを改めて実感したのは、月曜日の今日、仕事をしている最中だった。
「新札に両替ですね。少々お待ちください」
窓口で受け付けた一万円札三十枚を新札に両替し、手元で枚数を数える。新札も自動で数えられる機械をうちにも導入してほしい。
「課長、再鑑お願いします」
数え終わった一万円札をカルトンに乗せて、課長の席へと持っていくけど。
「ああ、ごめん。今電話かかってきちゃって。営業の誰かに回してくれる?」
と、断られてしまった。
営業課の席を見ると、今デスクにいるのは伊山と、営業課の係長さんと、二期下の後輩の男の子だった。
べつにふたりきりで飲んでいたわけではないし、付き合ってるわけでもないからそのくらい誰かに知られても問題はないけど……変なウワサが立つと厄介だし、ヘタしたら私か伊山、どちらかがほかの支店に異動させられてしまう可能性もなくはないから、自分たちからは誰にも言わないでいた。
金曜日にいっしょに飲んでから、私の伊山に対する気持ちとか態度とかが以前より変わった……ような気がしなくもないというか。
というのを改めて実感したのは、月曜日の今日、仕事をしている最中だった。
「新札に両替ですね。少々お待ちください」
窓口で受け付けた一万円札三十枚を新札に両替し、手元で枚数を数える。新札も自動で数えられる機械をうちにも導入してほしい。
「課長、再鑑お願いします」
数え終わった一万円札をカルトンに乗せて、課長の席へと持っていくけど。
「ああ、ごめん。今電話かかってきちゃって。営業の誰かに回してくれる?」
と、断られてしまった。
営業課の席を見ると、今デスクにいるのは伊山と、営業課の係長さんと、二期下の後輩の男の子だった。