こちら、私の彼氏です
それでも、最初こそ恥ずかしくて嫌だったものの……伊山との行為はとても気持ちがよくて……。

また、伊山に縛られてる、っていう状況も……それはそれでドキドキして、なんだか悪くはなかった。




だけど。




「伊、山……っ。はあ……っ、やっぱこれ、外して……っ」

行為もそろそろ終盤という頃、私は伊山にそうお願いした。


伊山はすぐにネクタイをほどいてくれた。


私は、自由になった腕を、すぐに伊山の背中に回した。
そして、伊山にぎゅっと抱きつく。


「伊山……っ」


……拘束されるのも悪くないけど、やっぱり、好きな人にはこうしてちゃんと抱きついていたい。

私の気持ちは伊山にバレているんだから、なおさら。



伊山の行為は、やさしさもあり、それでいて激しさもあって、だけどその両方がとても心地よかった。


大きく身体を揺さぶられながら、私は伊山に言った。



「伊山……

好き……っ」



伊山はそれに対してはなにも返さなかったけど、まるでその返事かのように、私の唇にそっとやさしいキスをしてくれた。



あれ……もしかして……伊山も私のこと……少しは、気にしてくれてる……?

そんなことを思いながら、私は伊山から与えられる快感に酔いしれた。
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