こちら、私の彼氏です
ウソをついてしまった
仕事を終えて、愛理と待ち合わせしてる駅へと向かう。
待ち合わせ時間まで少し時間があったから、駅の近くの日用品店になんとなく入った。
ふらっとフロアの奥の方まで行くと、アロマライトのコーナーがあった。
赤、青、黄……と、ライトが様々な色に変化しながら、アロマのいい香りがポッドから放出されている。
……こういうの部屋に置いておいたら、私の心も癒されるんだろうか、なんて思っていたその時。
「あれ? 福島」
その声に、私はばっと振り向いた。
「伊山……?」
なんで伊山がここに。いや、会社の最寄駅だし、いてもおかしくないけど。
「……伊山、買いもの?」
「うーん、なんとなく店の中見てただけだけど。なんか、こういうの買ったら俺の心も癒されるのかなとか思って」
伊山はアロマポッドたちを見つめながら、今しがた私が思っていたこととまったく同じことを答えた。
その妙なシンクロ感に、私はなんともいえない微妙な気分になった。
「……ていうか伊山にストレスなんてあるの?」
「いや、あるに決まってるだろ。お前、俺がただお気楽に営業してると思ってるのか?」
「べ、べつにそうは言ってないじゃん。営業の大変さとかわかってるし」
「確実にテラーより体力使うわ」
「テラーだって忙しいんですけど!」
「テラーのこと悪くは言ってないだろ!」
……あ、ヤバい。
普段、べつにこんな言い争いしたりは今までなかったんだけど。
なんか、ケンカになりそう……。
どうしよう。私が悪いよね。私がトゲのある言葉を言ってしまったから。
謝らなきゃ。
でも……なんて言えばいい? 今まで、伊山に素直に接することがほとんどできなかったから、素直に謝ることが、できそうになくてーー……私は言葉につまってしまった。
待ち合わせ時間まで少し時間があったから、駅の近くの日用品店になんとなく入った。
ふらっとフロアの奥の方まで行くと、アロマライトのコーナーがあった。
赤、青、黄……と、ライトが様々な色に変化しながら、アロマのいい香りがポッドから放出されている。
……こういうの部屋に置いておいたら、私の心も癒されるんだろうか、なんて思っていたその時。
「あれ? 福島」
その声に、私はばっと振り向いた。
「伊山……?」
なんで伊山がここに。いや、会社の最寄駅だし、いてもおかしくないけど。
「……伊山、買いもの?」
「うーん、なんとなく店の中見てただけだけど。なんか、こういうの買ったら俺の心も癒されるのかなとか思って」
伊山はアロマポッドたちを見つめながら、今しがた私が思っていたこととまったく同じことを答えた。
その妙なシンクロ感に、私はなんともいえない微妙な気分になった。
「……ていうか伊山にストレスなんてあるの?」
「いや、あるに決まってるだろ。お前、俺がただお気楽に営業してると思ってるのか?」
「べ、べつにそうは言ってないじゃん。営業の大変さとかわかってるし」
「確実にテラーより体力使うわ」
「テラーだって忙しいんですけど!」
「テラーのこと悪くは言ってないだろ!」
……あ、ヤバい。
普段、べつにこんな言い争いしたりは今までなかったんだけど。
なんか、ケンカになりそう……。
どうしよう。私が悪いよね。私がトゲのある言葉を言ってしまったから。
謝らなきゃ。
でも……なんて言えばいい? 今まで、伊山に素直に接することがほとんどできなかったから、素直に謝ることが、できそうになくてーー……私は言葉につまってしまった。