ハイスペックガール




本当に総長……?



若すぎない?大人には見えない。

きっと私の一つ上くらい。


この人が世界まで登りつめたの……?



総長はベットの前にある机に腰をかけた。


「柳沢茜、だっけ。」



そこにいるだけで威圧感がある。


私が黙っていると、総長は少し口角を上げて微笑んですぐ真顔に戻った。


「その目は、反抗なのか、怯えなのか……自信なのか。向けられた方を不愉快にするね。」


総長が不愉快になろうが私にはどうでもいい話だった。


「こっちの世界で本名を使うのは好ましくない。今日から君は、

海音 凛

だ。」


かいねりん?



「私、そっちの世界に関わるつもりありませんから」


「面白いこと言うね。君は既にこっちの世界の住人だよ。」


呆れたように言う総長は、楽しそうに笑っていた。


たしかに、私の能力を欲して襲ってくる人たちはよくいる。

目の前にいる人みたいなね。


関わってはいるけれど住人ではない。



あんたたちみたいな人と一緒にされたくはない。
< 13 / 50 >

この作品をシェア

pagetop