ハイスペックガール
本当に総長……?
若すぎない?大人には見えない。
きっと私の一つ上くらい。
この人が世界まで登りつめたの……?
総長はベットの前にある机に腰をかけた。
「柳沢茜、だっけ。」
そこにいるだけで威圧感がある。
私が黙っていると、総長は少し口角を上げて微笑んですぐ真顔に戻った。
「その目は、反抗なのか、怯えなのか……自信なのか。向けられた方を不愉快にするね。」
総長が不愉快になろうが私にはどうでもいい話だった。
「こっちの世界で本名を使うのは好ましくない。今日から君は、
海音 凛
だ。」
かいねりん?
「私、そっちの世界に関わるつもりありませんから」
「面白いこと言うね。君は既にこっちの世界の住人だよ。」
呆れたように言う総長は、楽しそうに笑っていた。
たしかに、私の能力を欲して襲ってくる人たちはよくいる。
目の前にいる人みたいなね。
関わってはいるけれど住人ではない。
あんたたちみたいな人と一緒にされたくはない。