ハイスペックガール


まぁ、たしかに。
って納得してる場合じゃない!!


総長と入れ替わりでまた浩太が入ってきた。


お父さんとお母さんを危険な目に合わせちゃダメだ……。


でもどうすればいい?


……



「茜。いや、凛……安心しろ。まだ両親は無事だ。」


だからなんだっていうの?

両親は全く関係ないのに…巻き込んで……

「親は関係ないでしょ……!
最低。……最低だよ!!」



浩太は私の唇に人差し指を当てた。

目にたまって今にもこぼれ落ちそうだった涙が止まった。



「凛が仲間になれば、それで済む話だろ。」


憎たらしく上がった浩太の口角に苛立ちを覚えた。




「仲間になっても、裏切るようなことがあってはならないと……マキさんからの伝言だ。」


パシッッ!!

私はついに、浩太を平手打ちした。


「私に逃げ場はない。そうでしょ?
もう、分かったから出てって。」



微動だにしない浩太を見ると、どこか悲しい、心配そうな目をしていた。


私はその顔に、苛立ちが増した。


「出てって……って言ってるでしょ!」


< 15 / 50 >

この作品をシェア

pagetop