ハイスペックガール
さっきよりも大きい声でさけぶように言うと、やっと浩太が反応した。
「いわれなくても。あ、凛が慣れるまでの教育係になったから。」
は?!
浩太と行動しなきゃいけないってこと?
他の人でも嫌だけど。
「夕飯の時呼ぶから。じゃ。」
浩太はやっと部屋を出ていった。
お父さん達を助けるための選択肢は一つ………。
あ、携帯っっ!!
ポケットに手を突っ込むと、入れておいたはずの携帯はなくなっていた。
やっぱり、とられた。
「ああ!もう!!!」
なんでこんなことになっちゃったの…
私はベットから立ち上がり、広い部屋を見回った。
三人掛けのソファー二つ、オフィシャルデスク、冷蔵庫……
机の上には最新型と思われるパソコンがおいてあった。
ガチャッ
「え、鍵……?」
冷蔵庫には一つの鍵がポツンと置いてあった。
でも、なんの?
近くに置いてあるものをみていくと、金庫があった。鍵付きだ。
鍵穴にさしこんで、まわした。
キキキキィ
「すごい……。」
中に入っていたのは、ぎっしりと詰められた福沢諭吉のお札だった。