ハイスペックガール
総長のことを横目で追っていると、目が合ってしまった。
真顔で逸らしたように見えたけれど、目が少し、いや完璧に笑ってた。
「この女が気になっているだろう。」
総長の声で、みんな姿勢をさらにのばした。
この女扱いか……。
「こいつは凛だ。みんなが知っている伝説の少女。こいつのことだ。噂も全部ほんとうだ。凛、自分であいさつを」
え、いきなりすぎるよ。
パニックに陥っていると、浩太が
「名前は海音凛だからな」と耳打ちしてきた。
そーだった。危うく本名言うところだったよ。
「海音凛です。スパイとして仕事をすることになりました。
治癒能力はほんとうにあります。それを生かして仕事します。
よろしく、お願いします。」
私は軽く頭を下げた。
なぜか沈黙が続いていた。
なんとなく、顔があげられなかった。
なんで誰も何も言わないの〜!!
「今言った通り、凛はスパイ。情報体調と同じ位だ。いいな。」
総長が私を人差し指で指しながら、そう言った。
身分の話…だよね?
「「「はい」」」