ハイスペックガール


やっぱり若いんだね。



「マキね」

私はなんでもないようにサラッと呼び捨てにした。


マキは、フッと笑って食事に手をつけた。


「尊敬という言葉を知らないのか。」

浩太は相変わらず小声だ。


「尊敬?なんであんなやつに。」


私はフンッと鼻を鳴らした。

浩太はまだ何か言いたそうだけど、もう無視した。



膳の上に置いてあったオレンジを一切れ食べて、残りを浩太の方へ寄せた。


「ごちそうさま。」

お腹いっぱいにはなってないけど、食欲はそんなにないしね。



「凛っっもっと食えよ。」


そう言いながらも膳を受け取る浩太は、相当お腹が空いているんだろう。




「もう部屋に戻っていい?」

「分かるか?」

「うん」


自分の部屋の位置くらい分かるってば。
< 22 / 50 >

この作品をシェア

pagetop